起業を考えたとき、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「どんなサービスを提供しようか?」という問いです。
講座やセミナーにする?
コーチングにする?
それとも商品販売?
もちろん「形」を考えることも大切ですが、実はもっと大事な視点があります。
それが、「誰のどんなジョブを解決するか」という問いです。
今日は、クリステンセンの『ジョブ理論』からヒントをもらいながら、サービスづくりに欠かせない視点を整理してみたいと思います。
『ジョブ理論』が教えてくれること
ハーバード・ビジネススクールの教授だったクレイトン・クリステンセンは、
『ジョブ理論』という本の中でこんな考え方を提唱しています。
人は商品やサービスを「買う」のではなく、自分の人生で片づけたい“仕事(ジョブ)”のために、それを「雇う」のだ。
たとえば、車通勤が長時間になるアメリカ人が、ドライブ前にミルクシェイクを購入する理由は、なんだと思いますか?

ミルクシェイク自体が好きというよりも・・
「長時間の運転中に、手や車内を汚すことなく時間をかけてお腹を満たす商品だから」
ということだそうです!
つまり、人がお金を払うのはサービスの中身ではなく、その先にある 「成果」や「根本的な欲求」 を満たすためなのですね。
具体例に見る“ジョブ”の本質
では、もう少し身近な例で考えてみましょう。
- 家事代行サービスを頼むのは「部屋をきれいにするため」ではなく、「自分の時間を確保するため」。
- 英語コーチングを受けるのは「文法を学ぶこと」ではなく、「仕事で自信を持って話せるようになるため」。
- 副業サポートを求めるのは「ノウハウを知りたい」からではなく、「収入の不安を減らし、安心を得たい」。
どの例も共通しているのは・・
サービス自体に価値があるのではなく、その先にある「変化」や「成果」に価値があるということです。
だからこそ、サービスを設計するときに大切なのは 「形」ではなく「解決するジョブ」 に焦点を当てることなのです。

あなたの「じぶんビジネス」に活かしてみましょう
起業初期の方ほど「何を提供するか?」にとらわれてしまいがちです。
ですが実際には、「どんなジョブを解決できるか」を明確にすることが、サービスを選んでもらう一番の理由になります。

私自身が提供している「ブランディング&サービス設計サポート」では、サービスの形よりも先に 『顧客のメタビジョン』を一緒に考えることを大切にしています。
メタビジョンとは、そのサービスを通じてお客様が得られる「変化や成果の未来像」。
これを言語化しておくことで、ブレない軸を持ったサービス設計ができるのです。
「形」は後から変えても構いません。けれど、「誰のどんなジョブを解決するのか」がずれていると、どんなに工夫しても響きにくいのです。

まとめ
サービスづくりの本質は「何を提供するか」ではなく、「誰のどんなジョブを解決するか」 にあります。
その先にある成果や欲求に焦点を当てることで、あなたのサービスはより伝わりやすく、選ばれるものになります。
あなたのサービスは、誰のどんな悩みやジョブを解決するものでしょうか?
ぜひ一度、メタビジョンを描きながら考えてみてくださいね。