「自己理解=就職活動や転職活動のためにするもの」と思っていませんか?
学生時代の自己分析や、20〜30代での転職の際に自己理解を深めた経験はある方も多いでしょう。

けれども実は、50代こそ「もう一度、自分を理解し直す」時期じゃないかと感じます。
定年前後は、会社員としての集大成であると同時に、これからの人生をどう過ごすかを考える節目。
そこで自己理解を再構築しておくことが、これからのキャリアと生き方に大きな差が出るかもしれません。

自己理解は若い頃だけのものではない
若い頃の自己理解は、就職活動や転職活動で「企業にどう役立つか」を整理する作業でした。
たとえば「自分の強みは企画力だから、こういう業務に貢献できる」といった形で、「自分を会社に合わせること」が目的だったのではないでしょうか。
しかし、50代からは状況が変わります。
昇進や転職を前提としたキャリア形成だけでなく、人生後半をどうデザインするかがテーマになります。
企業目線だけではなく、自分の人生を軸に据えた自己理解が求められるのです。

50代からの自己理解を深める3つの視点
では、具体的にどんな視点を持ち、自分を見つめ直すのかを考えてみたいと思います。
これまでは「会社にどう貢献できるか」という視点が中心でした。
もちろんそれは大切ですが、定年前後からは「自分がどんな働き方を選びたいか」に軸を移すことが重要です。

どんな人と働きたいのか?
どこで働きたいのか?
どう、自分の力を活かしたいのか?
この問いを明確にすることで、“会社に合わせる”働き方から、“仕事を選ぶ”働き方へと変わっていきます。
若い頃は「数年後の昇進」「次の転職先」など、キャリアの延長線で自己理解を行ってきたかもしれません。
しかし50代では、それだけでは不十分です。
健康状態や家族との時間、地域とのつながりや趣味など、人生全体のバランスを考える必要が出てきます。

生き方の中に、どんな形で仕事を位置づけたいか?
この視点を持つことは、これからの人生の充実度を高めるための気付きとなりそうです。
会社員としての役割や役職に縛られて働いてきた方も多いと思います。
しかし、定年前後は「自分は何のために働くのか」を見直す絶好の機会です。
「誰に、どんな価値を届けたいのか」
「自分の経験や強みをどう社会に還元したいのか」

役務(役割)から解放されて、自分自身のミッションを言語化すること。
これが50代からの自己理解において欠かせないポイントです。
使命感や貢献意識に根ざした働き方は、やりがいが生まれ、長く続けられる力になります。

まとめ
自己理解は、若い時だけのものではありません。
むしろ50代からこそ、企業目線から自分目線へ、キャリアから生き方へ、役務からミッションへと視点を移すことで、人生後半を自分らしく過ごすための軸が見えてきます。
定年前後の今こそ、「これからどんな働き方・どんな生き方を選びたいのか」を改めて考える絶好のタイミングかもしれません。