人生100年時代の新基礎力

『お金のIQ お金のEQ』あなたのお金への感情に目を向けてみよう

みなさんは「IQ」と「EQ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

「IQ」は人の知能指数を数値化したものです。

「EQ」とは心理学博士ダニエル・ゴールマンの著書により、一般的にも知られるようになった「こころの知能指数」のことです。

ダニエル・ゴールマンは、その著書『EQ こころの知能指数』でこのようにおっしゃっています。

「IQ(知能指数)」が高いだけでは人生の成功は難しく、「EQ(こころの知能指数)」を高めることで幸せに成功できる

お金のことに関しても、この両輪の考え方があてはまりそうです。

経済や投資の知識「お金のIQ」と、お金への感情に対処する「お金のEQ」について、本田健さんの著書から学んでみましょう。

『お金のIQ お金のEQ』
世界の幸せな小金持ちが知っている「お金の法則」
本田健著

お金が少ないから悩むのではない


収入が少ないことに不安を感じて悩むことがあるかもしれません。
そのような気持ちを抱えている方に質問です。

「月収がいくらあればあなたの不安は解消されますか?」

今現在の月収が30万円の人が、毎月100万円の収入が得られるとなるとお金の不安もなくなり心にもゆとりができそうな気がしますね。

しかし、本当にそうでしょうか。
毎月100万円の収入が実現されたとしても、次のような不安が新たに出てこないでしょうか。

A:「この収入がいつまで続くのだろう?またもとに戻るのではないか・・。」

B:「使えるお金が増えたので、高級車を購入したり背伸びをした住宅ローンを組んでしまった。手元にはお金は残っていないので不安は消えない。」

仕事を頑張った結果、収入が増えたとしても「お金のEQ」に向き合わないと新しい不安が出てくるものです。
お金に対する自分の負の感情や、無意識にあるお金への価値観を捉えることができて解消が進むと、徐々にお金との付き合いが楽になると思います。


先の例で言うと、

A:「私は高額のお金を受け取る価値がない人間だ。だから月収が増えてもこれは一時的なもので、またもとの月収に戻るはずだ。」

お金への感情と自己肯定感はある程度連動していると思えます。
自己肯定感が低いと、人間関係だけではなくお金を受け取ることにもこころのブレーキが利いてしまうかもしれません。


B:「高級車に乗り、豪華な住まいに住んでいることで周りの人から認められたい。」

社会からの承認欲求を満たすために、手元に入ったお金を使っていると言えます。
次はブランドバック、宝石などの購入でしょうか。
収入が増えても承認欲求を満たすためにお金を使い続けるため、こころが満足することはないかもしれません。

このように、お金への感情はひとりひとり違います。

お金の扱い方や感情を良い方向に向かわせる「お金のEQ」を高めることが大事そうですね。

ところで私たちはいつ、どのようにお金への感情を身につけたのでしょうか。

あなたの両親がお金とどう向き合ってきたか


私たちは幼少の頃から、親よりいろんな躾(しつけ)を受けています。

お金に関する考え方も、親の発言から親がお金をどう捉えているかを理解する機会がたくさんありました。

例えば、お金についてこんな風に言われた経験がありませんか。

「おこづかいは無駄遣いしないように!」
「お年玉は貯金しなさい!」

家庭によっては、お金をめぐる両親の夫婦喧嘩をよく聞いたという人もいるでしょう。


私事ですが、父親の体が弱く仕事があまりできなかったため、母の親戚からこのように言われたのをよく覚えています。
「あなたのうちは経済的に豊かではないので、おかあさんにお小遣いをねだってはいけませんよ。」

親戚の方は小さい子を諭すための言葉がけだったのでしょうが、この言葉がこころに強く残ることで「親(家族)からお金をもらってはいけない」という価値観ができてしまったように思います。

私はおとなになり、専業主婦でゆったり子供を育てることができる環境があるにも関わらず、パートナーの収入だけで生活をしていることに居心地の悪さを感じていました。
つまらないお金の感情で、目の前にある幸せな日々をちゃんと味わってなかった時期があったように思います。
もったいないことをしていました(笑)。


そして、あなたの両親も祖父母からお金の考え方を受け継いでいます。
戦争でものがなかった時代・不景気・好景気など、時代背景がお金に対する社会的な感情を作りだしてもいるでしょう。

21世紀で生活している私たちは、過去の世代のお金の価値観を持ったまま日々暮らしている可能性が高いのです。

まとめ:お金を感謝して受け取る


『お金のIQ お金のEQ』では、幸せなお金持ちになるための方法として「お金のEQの四原則」が紹介されています。

 もたらされるものを感謝して受け取る

自分の中にある、豊かさへの罪悪感や無価値感を癒すことで感謝が生まれます。

 感謝して、心から味わう

人を喜ばせる前に、どんなことにも簡単に喜べる人になることです。

 自分の豊かさを信頼する

「心配と頑張る」のスパイラルから出て、好きなことを追求することで豊かさを感じます。

 分かち合う

例えば「寄付」は、自分のところに必要以上のお金が流れ込んできているという確認作業なのです。分かち合うことでお金がまた自分にめぐり込んできます。

Haniko
Haniko

好きなことで働いて受け取る収入には、感謝の気持ちや満足感が大きくなりそうですね。

本田健さんの2019年の著書『Happy Money』もお金について考える良いきっかけを作ってくれますよ。