人生100年時代の新基礎力

『新1分間マネジャー』たった1分の使い方で部下と成果が変化するマネジメント法

「部下指導はどのようにすれば効果的なのだろうか?」
「営業活動に事務報告・・管理職としてやることがたくさんあるのに、部下の指導まで手が回らない!」

チームをマネジメントする立場になると、このような疑問や悩みをかかえながら日々悶々と過ごしている方は多いのではないでしょうか?


もしあなたがこのような悩みをお持ちなら、ケン・ブランチャードとスペンサー・ジョンソンの共著『新1分間マネジャー』を手に取ってみてはいかがでしょう。
部下を成長させる「3つの秘訣」がストーリー仕立てで理解できるマネジメントの本です。

Haniko
Haniko

「1分間で部下指導できるなんて楽で良いな~」
と、軽い気持ちで私も手に取りましたが、
人を動かす本質が凝縮されている本だと感じました。

1分間で確認できる「目標」


仕事を進めていく上での目標設定はどのようにしているでしょうか?

例えば、チームとしての売上目標を全員で共有していても、個々人の明確な目標や職務があやふやな場合があるかもしれません。

1分間マネジメントは部下と「1分間目標」をたてることから始まります。

上司が部下の代わりに目標を設定するのではなく、部下の言うことにも耳を傾け共同作業で目標を設定します。

書き出した目標と評価基準はシンプルにシートに書き留めます。
定期的に目標を確認するには、3~5個の目標がちょうどよい量とのことです。

上司と部下で目標シートを見返しながら現状の確認を行う。
部下が仕事の内容に迷ったときに、さっと目標シートを見なおす。
これに費やす時間が1分間なら、目標の確認作業の頻度を上げることができそうです。

目標を立てることが目的になっていませんか?
いわゆる「目標立てたら終わり」状態を防ぐ効果もありそうですね。

正しいやり方をしているところを見つけ1分間で「称賛」


目標を立てた後のマネジメントは、フィードバックの繰り返しです。
この本の中では「称賛」と「修正」の方法について書かれています。

まずは「1分間称賛」から。

部下と共有する目標を立てた後は、部下の仕事ぶりを観察します。
上司であるあなたの観察結果とは別に、部下からも進捗状況を報告させます。

双方でつくった目標を双方で確認するのは、それぞれの視点から見た現状のすり合わせをすることで納得感が出るのでしょうね。


実際のマネジメントで上司が反応する場面は、部下が正しいやり方で仕事をこなしていることろよりも、部下のやり方が間違っているときがほとんどでしょう。

部下が仕事に取り組む中で正しくできた部分に、上司からの「称賛」のフィードバックがあることは無駄なことではないはずです。

部下と向き合う時間を1分間だけとり、下記のように伝えてみましょう。

部下が正しいやり方をしているのを見つけたら、どこが正しいのかを具体的に示し、どんなにうれしく感じているかを伝えます。

そして、ちょっと間をおいて、部下の心にもそのことがしみわたるようにします。
そのうえで、さらに良い仕事をするように励ますのです。

『新1分間マネジャー』

部下のミスを見つけたら1分間ですぐに「修正」

仕事の上でミスは必ず起こります。
みなさんは部下のミスに気づいたときに、いつフィードバックを行っているでしょうか?

「来月の面談では、このミス事案を取り上げてフィードバックしよう」
などと、頭の中やフィードバック手帳にアレコレ書き込んでいませんか?

どういうときに「1分間修正」を行うのか?
それは、気づいたらすぐにです。

次の面談の機会まで待っても、その頃にはフィードバックの影響力も弱くなるでしょう。

部下のミスを見つけたら、マネージャーはすぐに反応します。
ふたりで決めた目標が明確だったかどうかを確認します。
前半と後半に分けて1分間修正を行います。
前半は部下のミスに、後半は部下自身に焦点をあてます。

前半では、間違った部分を具体的に指摘します。
後半ではミスは取り返せること、部下への信頼は揺るがないことを伝え、ミスを繰り返されることがないことと一緒に仕事をするのが楽しいと伝えます。

「1分間修正」は1分で完結してあとを引きません。

『新1分間マネジャー』
Haniko
Haniko

部下にとってミスを指摘されるのは嬉しいことではありませんが、フィードバックのもらい方でそのあとの仕事の取り組み方は違ってくるのでしょうね。

まとめ


この本の中では「1分間マネージャー」とは正反対になるマネージャーが紹介されていました。

その名は「ほったらかしてバッサリ式マネージャー」です。

新しい仲間が増えたときには、歓迎し皆に紹介しますが、そのあとはほったらかしです。
おおむね正しい仕事をしていても褒めないだけでなく、意味もなく追い立てることもあります。
部下をほったらかしにしていますが、高いパフォーマンスを期待しており、その期待にかなわないとバッサリ叩くというマネジメントです。


「時間がないから、なかなか部下の面倒を見ることができない」
という発想がいつまでも続くのはもったいかもしれません。

 「1分間目標」
 「1分間称賛」
 「1分間修正」


この習慣ができると、マネジメントが楽になるのはもちろん、部下の自主性が育つことでチームの生産性も上がりそうですね。