「また話が長くなってしまった・・」
「つい厳しく言いすぎた・・」
「アドバイスのつもりが説教みたいになっていたかも・・」
そんな経験はありませんか?
50代になると、これまでの経験や成功パターンがある分、「正しいやり方を教えてあげたい」と思う場面が増えます。
でも、熱心に伝えるほど相手の表情が曇っていく・・。
その瞬間、ふと「この伝え方でよかったのかな」と立ち止まることがあるかもしれません。
そんな方におすすめの書籍があります。
『新1分間マネジャー』
(ケン・ブランチャードとスペンサー・ジョンソンの共著)

たった1分で人が前向きに動き出す、シンプルで効果的なマネジメント法が書かれた一冊です。
1分で「目標」を共有する
指導の前に、まず確認したいのは「目的が共有できているか」。
上司が一方的に「こうしろ」と指示するのではなく、
部下と一緒に目標を決める──それが“1分間目標”の考え方です。
たとえば、「今月は営業成績を10%上げよう」という数字だけでなく、
「どうやって達成するか」「本人がどんな工夫をしたいと思っているか」を話し合う時間を1分だけでも取る。
紙に書き出しておけば、迷ったときにお互い確認できます。
3~5個程度に絞っておくと、見直しも簡単。
この“1分の共有”があるだけで、
「上司に決められた目標」から「自分で決めた目標」へと、部下の意識が変わります。
仕事を進めていく上での目標設定はどのようにしているでしょうか?
例えば、チームとしての売上目標を全員で共有していても、個々人の明確な目標や職務があやふやな場合があるかもしれません。
できた瞬間を逃さず「1分間称賛」
私たちは、つい「できていないこと」に目がいきがちです。
でも、人は“できたこと”を認められると、もう一度やってみようと思えるものです。
『新1分間マネジャー』では、
部下が正しく行動した瞬間に「1分間称賛」をすることを勧めています。
ポイントは、その場ですぐに・具体的に伝えること。
「今の報告の仕方、わかりやすかったね」
「資料のまとめ方、工夫してくれたのが伝わったよ」
といった一言を、1分以内に伝えるだけでOKです。
短いけれど、その瞬間に伝わる“承認”が、
部下の自信を育て、やる気を引き出します。
ミスを見つけたら「その場で1分間修正」
注意や指摘をするときほど、伝え方に悩みますよね。
面談まで待つと、話が長くなり、つい感情的にもなってしまうことがあります。
『新1分間マネジャー』では、ミスを見つけたら気づいたタイミングですぐ伝えることを提案しています。
しかも、1分で完結。
前半は“事実”を伝え、後半は“信頼”を伝える。
「ここは手順を間違えていたね。でも、あなたならすぐに修正できると思う」
こう伝えるだけで、叱責ではなく“サポート”として受け取られます。

ミスを責めず、行動を修正する。それが「1分間修正」です。
“ほったらかし”でも“詰めすぎ”でもない関わり方
本書では、対照的なタイプとして「ほったらかしてバッサリ式マネジャー」が登場します。
最初に歓迎しておいて、その後は放任。
そして、ミスを見つけたときだけ厳しく叱る──。
そんなマネジメントでは、部下の成長は期待できません。
忙しい日々の中でも、短く・定期的に関わること。
それが、信頼関係を築く近道です。

1分間でもしっかり向き合えば、相手は「自分を見てくれている」と感じます。
“説教しない1分”が人を動かす
私たちは「時間をかけて伝えるほど、思いが伝わる」と思いがちです。
でも、実際はその逆かもしれません。
短くても、相手の気持ちに届く言葉を選ぶ。
それが、50代からの“人を育てる力”です。
1分の対話を積み重ねるうちに、
部下の目の輝きや、チームの空気が変わっていくのを感じるでしょう。

そして、この“1分の関わり方”は、
職場だけでなく、家族や子どもとの関係にも活かせそうですね。
相手を変えようとするより、1分で関心を向けることから始めてみませんか?
まとめ
『新1分間マネジャー』の3つの習慣
✔︎ 1分間目標
✔︎ 1分間称賛
✔︎ 1分間修正
この3つを意識するだけで、
マネジメントも人間関係も、驚くほどシンプルになります。
忙しいからこそ、“1分の関わり”を大切に。
それが、50代からの「大人の伝え方」の第一歩かもしれません。
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