「連日の残業で疲労困憊・・・、
今日は体調も良くないし、会社休みたいなぁ・・・」
と思いながらも、立って歩けそうならとりあえず会社に行く準備を始める・・・。
このような朝が繰り返されていませんか?
体調不調を押してまで無理して会社に行くことが習慣になっているなら、「その行動の本当の理由」を考えた方がいいかもしれません。
『会社を休む練習』の著者、志村和久さんは過去に激務のため体調を崩し長期休暇をとる経験をされました。
その後「働き方」を変えるために独学で社会保険労務士の資格を取られ、「はたらき方改善ナビゲーター」として活躍されています。
目次
練習のスタートは自分に質問をすることです
まず、自分にこのような質問をしてみましょう。
Q どうして私は会社を休まないのだろう?
A 「自分が行かないと仕事が回らないから」
A 「周りの人に迷惑をかけるから」
A 「これくらいのガマンは社会人として当たり前」
自問自答すると、こんな答えが出てきそうですね。
しかし、これが本当の理由でしょうか?
もっと奥深いところに行動を促す理由がありそうです。
この本では会社を休まない理由が2つ挙げられています。!
ひとつは、過去の記憶が作った価値観が原因となっていること。
もうひとつは、承認欲求です。
過去の記憶が作った価値観が原因で休めない
会社の同僚が体調不良を理由に会社を休んだとき、社内での反応はどうだったでしょうか。
快く休養を受け入れられたでしょうか?
「今日休まれると困るわ~」なんて言う会話が聞こえたり、上司のむっとした表情が記憶に残ったりしていませんか?
自分がされたわけでなくても、このような過去の記憶はしっかりと危険信号のイメージを伴って心に残ります。
具合が悪い時には休養が大切とわかっていても、実際にその状況になると「仲間はずれ」や「上司の怒った表情」という「痛みを伴う感情」を避けるために会社を休まないという選択になりがちです。
承認欲求が原因で休めない
もう一つは承認欲求やプライドが原因なのかもしれません。
「自分が職場に行かないと仕事が回らない」
「周囲に迷惑をかけたくない」
・・・本当にそうなるのでしょうか?
多分、会社の仕事は何とかなるはずです。
会社を休めない気持ちを深掘りすると、周りの評価を気にして承認を求めているからかもしれません。
私の小学生の頃の経験です。
6年間学校を休まず「皆勤賞」をもらいました。
嬉しかったのですが、実は卒業近くは具合が悪くても「皆勤賞」のために無理して学校に行った記憶があります。
親や先生にも褒められたかったのかもしれません。
このようなことが成功体験になり、社会人になっても「会社を休まないこと」と他者からの承認が結びついていることがあるかもしれませんね。
私の場合は、中学生に上がったときに「もう無理するのはやめよう」と早々に体調不良で休んで、自分へのプレッシャーを無くしました。
自分の行動を客観的にジャッジしてみる
ではどうすればこの葛藤から抜け出すことができるのでしょうか?
それは自分の行動を客観的にジャッジしてみると良いようです。
葛藤している自分をスクリーンに映して、少し離れたところから観察してみましょう。
客観的に見ても心から応援する気持ちになりますか?
あるいは「もう限界だね」とリングサイドからタオルを投げてあげたくなるかを考えてみましょう。
がんばって会社に行ってしまう自分の行動は、意識的なようでいて実は無意識の欲求から行動している場合が多いようです。
客観的に見ると、おかしな行動になっているかもしれません。
確かに、体調の限界を乗り越えて会社に行くことで出世できる可能性もあるでしょう。
けれども、そのがんばりが自分の肯定的な価値観になってしまうと、他の人にも同じことを押し付ける人になってしまうかもしれません。
この本の中ではメンタル面で会社を休む練習ができるワークもあります。
また、巻末には困った時に相談できる場所が複数掲載されています。
もし、「体が辛くても会社が休めない」と葛藤中なら、少し解決策が見えてくるかもしれませんよ。