「連日の残業で疲労困憊……。今日は体調も良くないし、会社を休みたいなぁ」
そう思いながらも、立って歩けそうならとりあえず出勤の準備を始めてしまう・・
そんな朝を繰り返していませんか?

もし、体調不良でも無理して会社に行くことが“当たり前”になっているとしたら、
一度その行動の「本当の理由」を考えてみてもいいかもしれません。
「がんばりすぎ症候群」に気づくとき
私たちは、気づかないうちに“がんばること”が習慣になってしまいます。
「休むのは悪いこと」
「迷惑をかけるのはよくない」
そんな思い込みが、無意識のうちに私たちの行動を縛っていることがあります。

このテーマに真正面から向き合っているのが、
社会保険労務士・志村和久さんの著書『会社を休む練習』です。
志村さんご自身もかつて激務で体調を崩し、長期休暇を経験されたそうです。
その後、「働き方を変えよう」と独学で社会保険労務士の資格を取得し、
“はたらき方改善ナビゲーター”として活動されています。
「休めない理由」は無意識の価値観の中にある
本書では、休めない理由として次の2つが紹介されています。
- 過去の記憶がつくった価値観
- 承認欲求
たとえば、同僚が体調不良で会社を休んだとき、
「今日休まれると困るな」という言葉や、
上司のむっとした表情を見た経験はありませんか?
自分が直接言われたわけでなくても、
その“空気”が心のどこかに残り、
「休む=悪いこと」と刷り込まれてしまうことがあります。
また、「自分が行かないと仕事が回らない」「周囲に迷惑をかけたくない」
と感じるとき、そこには“誰かに認められたい”という思いが潜んでいることも。

実は私自身も、以前は「がんばること」を誇りにしていました。
無理をしてでもやりきる、それが“強さ”だと思っていたのです。
けれども今思えば、その裏には「評価されたい」「役に立ちたい」という
承認への欲求があったのだと感じます。
「客観視」してみると見えてくること
では、どうすればこの“休めない自分”から抜け出せるのでしょうか?
志村さんは、本の中で
「自分をスクリーンに映して観察してみる」
という方法を紹介しています。
もし、自分とまったく同じ状況にある人がいたら、
あなたはその人にどんな言葉をかけるでしょうか?
「もっと頑張って」と励ますのか、
それとも「少し休んでね」と声をかけたくなるのか。
こうして少し距離を置いてみると、
自分の行動がいかに無意識の価値観に引っ張られているかが見えてきます。
休むことは、前に進むための“練習”
体調の限界を超えて働くことで、
短期的に成果を出すことはできるかもしれません。

しかし、その頑張りが「これが正しい働き方だ」という価値観になってしまうと、
無意識のうちに周囲にも同じことを求めてしまうようになります。
『会社を休む練習』には、
そんな悪循環から抜け出すためのヒントやワークが多数紹介されています。
また、巻末には困ったときに相談できる専門機関の情報も掲載されています。
“休む”ことは立ち止まることではなく、
自分を整え、これからも働き続けるための準備です。
無意識の中にある「休めない価値観」を少し手放してみる。
それだけで、心も体も、ずっと軽くなるかもしれません。
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無理をしてしまう自分に少しでも思い当たるところがある方は、
この本を一度手に取ってみてください。
“休む”ことを練習するという発想が、きっと心を軽くしてくれます。