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『ソウル・オブ・マネー』に学ぶ”お金の充足”の法則──「あなたか私」から「あなたと私」へ

あなたにとって、「お金」とはどんな存在ですか?

安心の源。
人生を自由にするチケット。
あるいは、いつも少し不安を感じる存在でしょうか。

年齢を重ねるほど、「お金」との付き合い方が人生そのものを映し出しているように感じます。

今回は、リン・トゥイスト著『ソウル・オブ・マネー(The Soul of Money)』から、お金との関係を見直すヒントを考えてみたいと思います。

「欠乏の神話」に縛られていないか?

「充分な金額はいくらですか?」

そんな質問をされたら、どんな答えが浮かびますか?

「老後のために、あともう少し」
「今より年収が上がれば安心」

──そんな答えが多いかもしれません。

けれど、著者リン・トゥイストは言います。

「私たちは、いくら持っていても“足りない”と感じるように条件づけられています。」

本書ではこれを「欠乏の神話」と呼びます。

「充分にはない」
「自分の分は自分で勝ち取らなければならない」
「多ければ多いほどいい」──

このような考え方が、私たちの心の中に根強く存在しています。

気づけば、人生そのものが「誰かに負けないように」「もっと得をしなければ」というゲームのようになっているかも・・。

けれど、その競争の中では、どんなに頑張っても本当の安心にはたどりつけません。

「あなたか私」から「あなたと私」へ

欠乏の神話から抜け出す鍵は、世界の見方を変えること。

リン・トゥイストは、それを「You or Me(あなたか私)」の世界観から「You and Me(あなたと私)」の世界観へと呼びかけています。

「あなたか私」の世界では、誰かが得をすれば誰かが損をする。
その前提のもとに、競争や比較が生まれます。


一方、「あなたと私」の世界では、共に分かち合う、共に豊かになるという発想が生まれます。

この考え方、実はSDGsの根底にも流れているように思います。
限られた資源を奪い合うのではなく、どう分かち合えば皆が生きやすくなるか──

社会全体が少しずつ「あなたと私」の方向へ動いているのかもしれません。

私たち50代にとっても、この転換はとても大切だと感じます。

キャリアの競争を経てきた世代だからこそ、「もう一度、誰かと共に働く」「支え合う」視点を取り戻したい。

“誰かと一緒に”という生き方の中に、思いがけない豊かさがあるのかもしれません。

お金の“流れ”は、あなたの人生を映す鏡

「あなたは何に一番お金を使っていますか?」
「そのお金は、どんな気持ちで使っていますか?」

お金の流れは、私たちの価値観を正直に映します。

無意識のまま使っているお金も、実は自分の生き方を物語っています。

著者は言います。

「お金を感謝して受け取ること。
心から大切だと思うものに使うことです。
その“流れ”が、あなたの人生を形づくるのです。」

たとえば、誰かの笑顔につながる支出。
自分の学びや健康のための投資。

そのどれもが、“お金を通じて自分をどう生かすか”という選択です。

お金は単なる数字ではなく、自分が何を信じ、何を大切にしているかを映す鏡。

それを意識できるようになると、お金との関係は不思議と穏やかになります。

おわりに お金の「使い方」は、自分の「生き方」

お金を持つことよりも、「どう使うか」「どう受け取るか」に、その人の生き方が現れます。

“足りない”から抜け出し、“分かち合う”に気づいたとき、心の豊かさは確実に変わります。

「お金と呼ばれる道具が、私の魂と調和したとたん、豊かさ、喜び、充足が溢れだしたのです。
それは、お金の中にあったわけではなく、お金の使い方、魂の道具としてお金を使ったところにあったのです。」
──『ソウル・オブ・マネー』

私は、「お金との付き合い方を学び直す」ことも、人生を豊かにする一部だと考えています。

“お金のために生きる”から、“お金を通して生き方を整える”へ。

「今日の支出は、私と誰を豊かにしただろう?」
少しだけ意識してみたいですね。

それが「あなたと私」の世界観へ、一歩近づくきっかけになるかもしれません。