サラリーマンを卒業して起業したい方、定年を迎えて自分の経験をアウトプットしたいと考えている方が増えています。
今はインターネットを使って気軽に情報を提供できる環境があり、店舗や事務所を構えないコンサルタント職などであればすぐにでも起業ができそうです。
「よし、ひとつ自分で事業を始めてみるか!」
と決めた後に取る行動は何でしょう?
本やネットを活用して、すでに起業してうまくいっている人のハウツー情報を学ぶのもありですね。
しかし、すでに事業が軌道に乗っている成功者の本を読んでも憧れが大きくなるばかり・・・。
きっと、駆け出しのころは苦労や失敗や試行錯誤があったはずですが、大物からの情報はレベルの高い成功談が多い気がします。
では、これから起業しようとする人はどのような人から情報を得ると良いのでしょうか?
成功者が駆け出しの頃に出版した本には初心者のリアリティがあり、ここから学ぶのも良さそうです。
アイ・コミュニケーション代表の平野友朗さんはメルマガの第一人者として成功されています。
平野さんが起業3年目に書かれた書籍からは、サラリーマン卒業以降の3年間でやったことや試行錯誤がもり込まれており初心者には参考になると思います。
起業してから最初の頃に、平野さんが考えられていた「お金」「時間」「人脈」にまつわる部分をご紹介したいと思います。
目次
自分の収入はどうやって決めるのか
会社員の頃、自分の給料を自分で決めることはなかったと思います。
しかし、起業すると自分のサービスの値段を自分で決めることになります。
自分のサービスの値段はどうやって決めればいいのでしょうか?
周囲を見ていると「時間単価が適切でない起業家」がたくさんいます。その原因は自分自身の成果を過小評価していることにあるようです。
『走りながら考える仕事術』平野友朗
サラリーマン気質だと、月収入や日当で考えがちですね。
起業した場合は、時間単価で考えることが大切なようです。
考え方の手順は、まずは年商の金額を決めます。
そこから月割り、日割り、時間給と降ろして考えてみます。
例えば、まずはほしい年商を1000万円とします。
年商1000万円 ÷ 12ヶ月 = 毎月平均84万円
84万円 ÷ 25日(1か月の稼働日数)= 3.4万円
3.4万円 ÷ 8時間(1日の稼働時間)= 約4300円(時間単価)
この計算式からわかるのが、月に25日間の実働で毎日きっちり8時間分働くなら、4300円以上の時給単価で年商が1000万円以上になるということです。
自分のサービスの質や同業者のサービス価格を参考に、この計算式に当てはめていくと、年商の予測や時間単価の設定がわかりやすくなります。
そしていずれは、自分のスキルアップに合わせて時間単価を上げていくのだと考えます。
時間に区切りをつける習慣を持つ
起業すると24時間365日をすべて自分でコーディネートすることができます。
仕事の始まりと終わりは自分で決めるか、あるいは決めないという選択も可能です。
あなたが創作活動などではなくサービスを提供するビジネスをするなら、時間管理を意識した方が成果が上がりやすいと言えます。
締め切りのない仕事は多分終わらないからです。
仕事の計画を立てるのが好きな方はよくお見掛けします。
しかし、その計画に完了予定日が設定されていないことがほとんどです。
完了予定日を設定するのをためらう方の中に、完璧主義の方が多いように思います。
理想が高いため、どんなにやっても自分の理想まで届かないのではという不安から完了日を設定するのにためらいがあります。
これでは、ゴールが遠のいてしまうでしょう。
完了日を決めることで日々やることが明確になりますし、その時点までに全力を出した結果が今の自分の実力だと割り切って考えるのも良いではないですか。
時間の区切り方にはコツがあるようです。
会社員時代は、3年を過ぎたあたりから仕事がものになり部下ができ会社全体を見渡せるようになっていました。ですから、起業するときも「3年」をひと区切りとして考えました。
『走りながら考える仕事術』平野友朗
どんなことがあっても3年は続けよう。
「3区切り」でタイムマネジメントすることは多くの成功者が推奨されています。
「3日」「3か月」「3年」などですね。
集中して物事に取り組むのにしっくりくる数字なのかもしれません。
計画は3か月ごとで考える、事業の結果は3年で判断するなど、自分で時間を区切る習慣をつけたいですね。
起業が軌道に乗るかは人脈で決まる
サラリーマンを辞めて起業したい理由には、「会社の人間関係の煩わしさから解放されたいから」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
起業することで人づきあいを減らして楽になれるかというと、付き合う人の数が減ることでビジネスが先細りする可能性の方が高いでしょう。
ネットビジネスならひとりで完結すると考えて自宅に引きこもってパソコン一つで物販をしている知り合いもいましたが、ビジネスが軌道に乗らずほどなくサラリーマンに戻られました。
顧客との対面が必ずしも必要でないサービスをされている方でも、事業が上手くいっている方は人脈が多いことに驚きます。
同業者やそうではなくともゆるい関係のビジネスの人脈をたくさん持たれています。
起業をすると自然に人が集まってくるかというとそんなことはないでしょう。
結果的に人脈を築いている方は、目に見えない努力をされています。
人見知りが激しい性格でも、思い切ってこちらから声をかけてみる。
メールやSNSを利用して新しい人と繋がる方法を取り入れる。
自分の強みや提供できるものを相手に伝える準備をする。
平野さんの著書の中では、人脈を作る一番大切なことは「行動すること」だとおっしゃっています。
人脈を作ろうという意識はあっても、実際には動かない方が多いです。
とにかく行動しないことには何も変わらない。行動した人だけが成果を上げていくのです。
『仕事とお金を引き寄せる人脈構築術』平野友朗
起業後、一番腰が重くなる部分はここかもしれません。
ビジネスの取引先や顧客となんとか繋がりたいと初めは思うかもしれませんね。しかし、同じ時期に起業した人との繋がりも励まし合う仲間になり得ます。
少し先輩になる方と繋がりたいときには、声をかける勇気と行動が必要でしょう。
まとめ
起業についての書籍を探すと、たくさんありすぎてどれを選べばよいか迷ってしまいます。
起業に関する新刊本は次々発売されますのでタイトルだけ見て買うこともあるでしょう。
しかし、タイトルに惹かれて本を読んでみてもレベル感などが自分に合わないなと感じることもあると思います。
初級者が知りたいのは、起業している人の思考法や時間管理、基本的なお金の考え方などではないでしょうか。
また、今後ありえそうなトラブルや先人の失敗談も先に聞いておけると備えたり回避したりする準備ができそうですね。
今回ご紹介した平野友朗さんは、ビジネススキルはもちろん自分のブランディング作りや人脈を広げた経験を惜しみなく著書の中で披露されています。
特に失敗談の量が多いところが人間味があり親しみを感じます。
上手くいった事例ばかりを追っても、自分が失敗したときに「自分だからダメなんだ」と思いがちになります。
「あんなに凄い人でもこんなところでつまずいていたんだな」と思えると肩の力を抜いてチャレンジできそうに思います。