人生100年時代の新基礎力

近江商人のビジネスの原点「三方よし」を学びましょう

昔、法人の会社を立ち上げたときのことです。
私は今後のお取引先となる企業へご挨拶に回っていました。
これからの仕事の詳細について打ち合わせが中心でしたが、中には年配の方より事業に対する御指南をいただくこともありました。

とある会社の部長さんからは御指南だけではなく、手土産として「三方よし」と書かれたシールをいただきました。

Haniko
Haniko

「三方よし」とは、近江商人の商いのスローガンです。

売り手よし、買い手よし、世間よし』

三方にすべて良い状態が、商売のコツだと表現したのですね。

琵琶湖周辺で発祥した近江(おうみ)商人より、商取引においては当事者の売り手と買い手はもちろん、その取引が社会全体の幸福につながるものでなくてはならないという意味を込めて「三方よし」という言葉が生まれました。

売り手よし

商売なのだから、売上第一!
まずは自分が儲けること!
・・・と捉えてしまいがちです。

近江商人のいう売り手とは、従業員満足のことでした。
従業員への利益の配分に気を配ること。
丁稚奉公で質素な生活を送っている従業員には、月に一度はすき焼きをふるまいおなかも満足させることもあったようです。

Haniko
Haniko

高級和牛の近江牛すき焼きだったのでしょうか!
羨ましいです!

買い手よし

これは「顧客満足」のことですね。

近江商人は物品を売る行商で全国各地を新規開拓していました。

新しい地に入り込んだ際には、その地で「信頼」を得ることが大切でした。
信頼を得られると、新しい地で商売を始める(支店を出店)こともできます。

信頼を得るためには、自分の利益よりも相手の利益を優先する姿勢があったようです。

Haniko
Haniko

自分の人間性を磨くことも信頼を得るための大切なことだと周知されていたようです。

世間よし

これを現代語訳すると、「CSR」(企業の社会的責任・社会貢献)ということろでしょうか。
また、「SDGs」に取り組む企業も「世間よし」を実践していると言えるのでしょうね。

近江商人が「三方よし」を信条にして商いをした結果が、息の長い企業発展につながっているようです。

・伊藤忠商事
・ふとんの西川
・日本生命
ほんの一例ですが、近江発祥には名だたる企業が多くて驚きます。

まとめ

近江の地では、多くの商人たちが商売の本質を共有する場があり、スローガンとして「三方よし」が生まれました。

いまだにその本質が損なわれないどころか、今後はさらに原点回帰しようとしてるようにも思います。

Haniko
Haniko

大きな商いをしているわけではなくても、自分を「売り手」と捉えてみる。
自分と関わる「買い手」に対してどれだけ貢献できるか?
そしてその関係が「世間よし」にまでつながる可能性があるのか?

今後は、大企業だけが「三方よし」を実践すればよいというわけではなくなるでしょう。

私たちが多様な働き方をする場面が増えたときに、仕事の原点として「三方よし」を思い出してみたいですね。

過去にいただいた「三方よし」のシールは大切にとってあります。
トップ画像がそのシールです。
まだ一枚も使っていません。
というか、どこに貼ればいいのかさっぱりわからなくて観賞用になっています(笑)。