自分の伝えたいことが「あ、うんの呼吸」で相手に伝わっていると思っていませんか?
「阿吽(あうん)の呼吸」をコトバンクで調べると、「二人以上で一緒に物事を行う時の、互いの微妙な気持ち。また、それが一致すること」とあります。
慣れた職場やチームメンバーとは次第に意気投合して、言葉にしなくても言いたいことや伝えたいことの微妙なニュアンスは理解してくれているだろう、と思いがちですよね。
特に忙しい状況にある時ほど、相手との「あ、うんの呼吸」に過度な期待をしてしまいます。
目次
職場でありがちな部下への指示
例えば、職場の中でこんなやり取りはないでしょうか?
上司:「この資料、50部コピーとっておいてね。」
部下: ・・・コピーをとって、資料50部を上司に持参・・・
上司:「両面コピーじゃないよ!片面コピーだよ!!」
部下:「そうだったんですね。では、コピーしなおしてきます。」
(えー、はじめから片面コピーだって言ってくれればいいのに!!)
どうしてこんなやり取りになってしまったのでしょうか!
もちろん、上司がはじめから「この資料は片面コピーをするように」と伝えていれば問題は起きませんよね。
では、なぜ上司は詳細な指示を忘れてしまったのでしょうか?
その原因は上司の頭の中の映像と、部下の頭の中の映像が違うことが原因だと思います。
お互いの脳内イメージは伝わっていると思いがち
✔ 上司の頭の中では、部下に指示を出した瞬間に、自分の欲しい片面コピーされた50部の資料の映像がありありと見えています。
そして「あ、うんの呼吸」で映像が伝わっていると思い込みます。
✔ そして部下の頭の中では、上司の意向を汲むべく過去の記憶を引き出します。
『以前、この上司からコピーを頼まれたときは両面コピーをするように指示されたな。よし今回もこれで間違いないだろう。』
ということで、両面コピーした資料がありありと見えています。
上司と部下は異なった完成資料を脳内イメージに描いています。
このように「あ、うんの呼吸」の行き違いが発生してしまったのです。
まとめ
頭の中の映像を言葉にして相手に伝えることは、普段のコミュニケーションでよく行われることです。
そうはいっても、できるだけ頭の中の映像どおりに伝えるのは誰にとっても難しいものですね。
ここでのコミュニケーションのポイントは、仕事の指示を受け取る部下は「過去の経験に頼っていることが多い」ことを、上司が理解しておくことだと思います。
上記のやり取りの中では、上司はちょっと部下に対して苛立ちを感じたかもしれません。
コピーを頼まれた部下は、やり直しでモチベーションが下がってしまったかもしれませんね。
職場では、意図するところの脳内イメージをお互いにすり合わせることで、生産性の高いコミュニケーションを実現したいですね。
今後、科学が進歩するとお互いの頭の中の映像を見せ合うコミュニケーションが実現するかも!
「失敗しない指示」が実現するかもしれませんね(笑)